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涼宮ハルヒの憂鬱(止) ブログトップ
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出逢い 『キョン』 [涼宮ハルヒの憂鬱(止)]

普通、運命の人に出逢ったとかいう時は衝撃が走る、なーんていうけれど。
だったら俺の場合はどうなるんだろうね。

大体、涼宮ハルヒに出会った人間は、まさしくこう思うはずだ。
出遭っちまった、とな。
まず、最初の言葉がこうだ。
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、
 異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
以上じゃねえ!
お前は一体何を考えているんだ?
そう言ってやりたいよ。だが、そんな正当たる発言なぞ
ハルヒの耳には入っちゃあくれない。
いつでもあたしが法律、都合の悪いことは聞かないように
インプットされているハルヒの脳では、
俺が声を発した時から素早く雑音として処理されているに違いない。
ただ、俺も若かった。いや、重ね重ね甘かったんだ。
何故あの時に話しかけちまったのか。
まあ、高校という新しい活動の場で、いきなりあんな自己紹介をされたら
興味を少なからずも持つはずだし、黙ってりゃ美人なハルヒに
近付いてみたいと思うのも自然なことだ。
だってそうだろ?
こいつが常に自信満々、我が道を行くという言葉が
あまりにもぴったり過ぎる人間だなんて、本当に知らなかったんだ。
知っていた方がおかしい。
まあ、御託を並べてはみたものの、結局俺が言いたいのはこうだ。
俺は軽率すぎた、とな。
だが・・・まあ、今となってはもうどうでもいいことだ。
それなりに成り行きに任せるさ。
たとえハルヒが何か言い出しても、適当にあしらっていればいい。
あしらうことが出来ればの話だが。

クラブを作る。ああ、後々にSOS団となる代物だ。
その案を思いついたときには、俺の襟首・・・じゃなかった。
ネクタイつかんで、部の発足に協力を迫った。
ああ・・・もう。
結成したと思えば、メンバーは俺達と長門。
そして拉致された朝比奈さん。
しばらく経って謎の転校生として入ってきた古泉。
これでメンバーは揃ったというわけだ。
宇宙人に、未来人。加えて、超能力者。
・・・・・・そしてSOS団団長、観察体、時間震動の源、世界を創っている神。
そう定義されている、涼宮ハルヒ。
さらに、一般人である俺。
こんな面白い人材を集めているんだからいいじゃないか、俺を巻き込むなよ。
そう言いたくとも、何故か俺は強制参加を余儀なくさせられている。
ふう。だが・・・これも最近ではいいんじゃないかとやっと思えるようになってきた。
いや、かなり早い段階から思っていたのかもしれないな。
なんて楽しいんだろう、とな。
疲れるし、しょっちゅう冷や冷やさせられっぱなしだし、
溜め息つきまくりの生活にはなったがそれなりに楽しい。
涼宮ハルヒの言動には、いまだに予測できないことばかりだが。

まあ、結論はこうなんだろうな。
前までは、俺と代わってくれるやつがいるなら、さっさと自己申告してきてくれ。
そう思っていたんだ。もちろん、すぐ代わっていただろう。
だが、今出てこられても俺は代わらないだろうね。
俺は今はこう思っている。
出遭ったことに後悔しているが、出逢ったことに満足もしている、とね。
人生ってそんなもんなんだろうな。きっと。

お題 by 甘味処


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もう少しで手が届く 『キョン』 [涼宮ハルヒの憂鬱(止)]

「おい・・・待て」
「何よ、あんたなんかに用は無いわ」
「おい、ハルヒ!」

「はっ!? はっ、はあ・・・夢、か」
最近は何故か悪夢が多い。
まあ、涼宮ハルヒという人物に関わっている時点で
ほぼ悪夢は完成されているようなものだが。
長門の暴走事件後、俺はちょくちょく考えてしまう。
デリケートだったという自覚は無かったのだが、考えてしまう。
俺は何が出来るのか?
そんなもん、答えなんぞありゃしない。
何しろハルヒは自分で動いて、この道を通っていけばいいのに
わざわざ回り道をしていくような、川の流れに逆らって船を進ませるような、
そんなヤツなのだ。
自分だけではなく、俺たちにまで船を漕がせて。

だが、長門には感情ってモンが・・・できた。
本人は気付いていなくとも。
少なくとも俺は、それを大切にしてやりたい。
ハルヒの我侭に渋々付き合っている俺。
たまには俺が言ったっていいだろう。
俺は、このままでいたいんだ。
俺は、ハルヒ、長門、朝比奈さん、古泉、
オマケに谷口や国木田もつけといてやろう。鶴屋さんも。
とにかく、このまま。

それには、ハルヒの気が変わらないように。
ビクビクするのはごめんだ。
だが、少しくらい願をかけておく。
どうか、このまま・・・この日々が少しでも続きますよう。
そして俺が、出来ることなら自分で問題を解決するとまでは
いかなくても、皆で協力し合って、誰にも負担がかかることの無いように。


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お昼はみんなで 『みくる』 [涼宮ハルヒの憂鬱(止)]

ある晴れたお昼のことです。
涼宮さんは、お弁当を食べながら何か本を読んでいました。

キョン:「おいハルヒ。お前どっかの親父の朝の風景みたいな格好で弁当食べるなよ」
涼宮:「なに、あんたの父親がそうなわけ」
そのときのキョン君からは、その返答が正解だったのかは、よく分かりませんでした。
このとき、古泉君は用事があるといっていませんでした。
何かの強化習慣ということで、ここ数日は部室でお弁当を食べています。

涼宮:「いい? みくるちゃん。団員全員、あたしが統率しているんだから、
    そりゃもう、これでもかってくらい一致団結してるわ。」
「はあ・・・」
涼宮:「だけどね。今はまだだけど、これからもっと団員が協力して成し遂げないといけないことが
    必ず立ちはだかるわ。ま、その時のためにもこうしているってわけよ」
そう話している涼宮さんの横で、キョン君は「お前の知らないところで十分おれ達は団結しているよ」
と、呟いていました。キョン君? 聞かれないようにね。

さて、そんなことがあってある日のこと。さっきの冒頭の日に今日があたります。
いつもは本を読んでいるのは長門さんだけなのに、今日に限って何故か
涼宮さんは読書をしていました。どうやらその本は洋書みたいでした。
キョン:「ハルヒ、お前いつから読書が趣味になったんだ?
     というより、俺の横で洋書を読むって・・・アレか。一種の嫌がらせなのか」
涼宮:「何言ってんの。こんなの簡単よ。あんただってその気になれば読めるわ」
キョン:「読めねえよ! しかもそんな分厚い本、お前長門の真似でもしてるのか?」
そうキョン君が言うと、ちょっと眉をしかめて涼宮さんは言いました。
涼宮:「あたしが人の真似するわけないでしょ? そんな退屈な事。
    違うの、ただ興味があっただけよ。これ宇宙人とかの目撃例とか、考察とか載ってるの。
    冷やかし程度に読んでおくのもいいかなって思ってさ」
キョン:「冷やかしねえ・・・」
冷やかしで、俺の前ですらすらと読まれては気が散る、とぶつぶつ言っていましたが
やがてキョン君は椅子に座ったままこくりこくりとうたた寝を始めてしまいました。
ぱら、ぱら、と長門さんと涼宮さんが本のページをめくる音が部室に響いて、
穏やかな春の日ざしが降り注いで、少し窓を開けるととってもいい感じです。

後から古泉君が、「何とまあ、ほのぼのとした情景ですね」と言って入ってきました。
そのまま起こさずに、昼休みが終わるまでみんなそこにいましたが、
終了のチャイムと共にキョン君が飛び起きて、慌しく教室へ向かいました。
たまには、こういう日もいいな。
私も今度、何か本を読んでみようかな?

「あのぅ・・・日誌ってこれでいいんでしょうか?」
「みくるちゃん、あなたの未来目標をここに書いても仕方ないでしょ?
 それにこれ、もうほとんど日記じゃない。こういうものはね、簡潔にまとめるもんなの」
「まあ、いいだろ。これはこれで。次書くときに、そうしてもらえばいい事なんだから」
「・・・・・・分かったわよ。じゃあ次は、古泉君か有希お願いね」
「了解しました」
 
 

Photo by clef
 
 


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香ばしいかほり 『キョン』 [涼宮ハルヒの憂鬱(止)]

今日は厄日だ。
いや、涼宮ハルヒに関わっている以上、慣れるべきことなのかもしれない。
だが、そうそう慣れるもんじゃない。

なんとあいつは今日、学校でしかも部室でパンを焼きたいと言い出しやがった。
「パン~?」
ハル:「そっ!! 昨日テレビでやってたのよー。家庭で出来る、簡単なパンの作り方」
お前が料理番組を見ているとは知らなかったぜ。宇宙人が放映している番組か?
ハル:「バカ。そんなことあるわけないじゃない。 前、鍋作ったでしょ。
    また何か作ろうと思って、時々チェックしている番組があるのよ」
そう、こいつは料理が上手い。ピアノも弾けるし、顔立ちも整って、美人と言われる部類だ。
これで性格が違っていたら、本当にいいんだが。
ハル:「ちょっとキョン、聞いてる? それでさ! 何のパンがいい?」
何かレパートリーがあるのか。
ハル:「もっちろん! 任せておいて。みくるちゃんは何が好き?」
朝比:「パンですか? うーんと、アンパンとか?」
アンパン、またなんとも庶民的な。
朝比奈さんだと、おしゃれなテーブルに座り紅茶でも飲みながら朝食を頂く
というような構図がお似合いだ。ま、なにをやらせても似合うとは思うがな。
古泉:「僕はくるみパンがいいですね」
ハル:「くるみ・・・うん、それがいいわね。アンパンは時間がかかるから今度ね、みくるちゃん」
朝比:「はい」
と、いうわけでくるみパンと決定した。
いやまて、決定したのはいいんだが材料は?
生地は寝かしたりしているのか?
ハル:「大丈夫! あ、でもくるみはないわねーキョン、買ってきて」
「はあ? 何で俺が。言い出したヤツに行かせろよ」
ちなみに言い出したヤツとは古泉だ。
今は寒いし、外に行っても終始にこにこして寒そうな気配を見せない古泉は適任というもの。
ハル:「あんたよ。平の隊員のクセに、副団長をこき使おうっての?」
まだその設定は残ってたのか。
「分かった、分かった。行ってくりゃいいんだろ。どのくらい必要なんだ?」
ハル:「そうね・・・ねー有希、知らない?」
長門:「100グラムもあれば十分」
そう淡々と告げる。きちんと正確な量を言うかと思ったがあいまいに言うのは珍しいな。
「お前、もしかしてくるみパン食べたことないのか?」
問いかけると、こくんとうなずく。瞳がわずかに興味に満ちていたような気がした。
「かなり香ばしくて・・・いや、パンは大体香ばしいな。
 ま、あれは味わった方が表現するより早い。期待しとけ」
笑ってそう言って、俺はハルヒに顔を向ける。
「なあ、ハルヒ。長門を連れて行ってもいいか」
ハル:「有希を? 何でよ、人手はあったほうがいいのに・・・ま、いいわ。行ってきなさい、
    っていうかキョン、のろいわよ!? さっさと行きなさい!」

半ば追い出されるようにして部室を出される。一緒に長門も連れて行って、クルミを買う。
冬の冷たい風を切り、歩く。今は冬だが暖かく、店まで買いに行って帰る頃には汗ばんでいた。
全く冬らしくない。
どこからか流れてくる甘い花の香り、澄み切った空気も今は暖かく足元の、道路の脇には小さな草花がいじらしくひっそりと咲いていた。
「いい天気だな」
そんな、取り留めのない会話。ゆったり歩いて、寄り道をして。
といっても、外出する時にまで本を持ち歩いていた長門はそこでも本を読んでいた。
もはや本はあいつのトレードマークだな。
帰ると、遅いと怒られた。実は俺が寝てしまったからだ。昨日夜更かしをしてしまったからだろう。
勉強かって? 冗談。そんなのはテスト前にやるもんなのさ。
さて、今日はパン作り。前もって寝かせておいた生地にクルミを練りこみ焼く。完成。
だが、そこで一つ! 問題が起きた・・・
動いている。
い、いやいや。そんなベタっぽいファンタジー的な要素がこのパンにあるはずはない。
材料は普通の粉だし、スーパーで買ってきた普通のクルミ。
なのになんで・・・俺のパンは動いているんだ!?
みると古泉が手にしているパンは動いていない。
やっぱりそうだよな、パンは静止しているものであるはず、・・・・・・なのだが。

その後、早く食べろというハルヒに、
動いているなど微塵も思っていない朝比奈さんや古泉の前で食することとなった。
明日のために胃薬を飲んでおこう。
動いていたパンを食べただけだったが、異様な罪悪感に襲われる。
その日の教訓は、
ハルヒにはおとなしくしてもらっていた方が少なくとも害にはならない、ということなのかもしれない。

Photo by 10minutes+


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空船~からふね 『長門有希』 [涼宮ハルヒの憂鬱(止)]

空船・・・乗客も積荷もない、空っぽの船。
そう、まるで前の私のことのよう。
広い空間。
いてもいなくても分からないような存在。
ここにきて、少したったある七夕の日。
訪問者がやって来た。
監視している生命体の知り合いだと名乗るもの。
どこか懐かしいような、そんな気にさせる人物。

あなたは私に助けを求めた。
時空を凍結したから、見ることは出来ないけれど
それでもそばにいる。
三年後、また初めてあなたに会う。
それまで、待っているから。
その時にはもう、からふねじゃない。


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